とある日曜日。
北杜市須玉町・津金にある、ごはん屋さん「つがね食堂」さんで開催されたイベント
“海を渡ったふるさとごはん”に行ってきました!
このイベントはM4Rという難民支援活動の一環で、食を通じて難民への関心を高める、という内容です。
M4Rについて、詳しくはこちら。
この日のメニューは「スリランカ定食」と「ビルマ定食」。
私はスリランカ定食をいただきました!
スリランカカレーは、やわらかく煮たカシューナッツがごろごろ入っていました。
やわらかいカシューナッツ、初めて食べましたが、すごくおいしい・・・。
付け合せは鯖が入ったコロッケ「カトゥレット」と、酸味の利いたにんじんサラダ。
お料理も、デザートも、ドリンクのチャイティーまで、おいしい~。
普段からつがね食堂さんのお料理は、トルコだったりモロッコだったりロシアだったりと、
異国な感じのメニューが多いのですが、なんだか舌や体にしっくりきます。
日本の食材を使ったり、日本人にあう味付けを考えていらっしゃるからとは思うのですが、
それでもその国の「らしさ」も崩れずに、お皿の上に乗せられているような。
そんな気がします。
お料理の下に敷かれている、ランチョンマットにも注目すると・・・。
各国や地域の情報が書かれています。
こちらは店主の藤田さんの、ご友人が作られたそうです。
“ここに書かれている情報は一部に過ぎず、政治社会情勢も日々変化しています”と注意書きがありました。
でもこれだけ読んでみても、今わたしが住んでいるこの国や、八ヶ岳のこの場所はなんて毎日平和でのどかなのだろうと思いました。
お料理をいただきながら、だんだんと、難民へ心が近づいているようにも感じました。
そしてこの日楽しみにしていたのは、お料理だけではなくですね。
難民支援というテーマに合わせた映画の上映です。
上映されたのは、アキ・カウリスマキの「ル・アーヴルの靴磨き」。
母国から逃れて難民となった少年を、フランスの港町ル・アーヴルの住人達が協力して手助けをするストーリーです。
この監督の映画が大好きな、藤田さん。「上映をするならこれ!」と決めていたほどだそう。
私は初めて観る映画で、「難民」というテーマは決して軽いものではないし、かたい内容なのかな、と思っていました。でも観てゆくとコメディ的な一面もあって、思ったよりもずっと、やさしくてあたたかな気持ちになれる映画でした。こうしたイベントがなければ、自分から見てみようとは、思わないタイプの映画だったと思います。そういう映画に出会えるのも、こういった上映会の面白さかも。
上映後には、藤田さんからコメントがありました。
「目の前で困っている人がいたら、助けてあげないといけないな、と思います。でも1人で全部背負うのではなく、この映画のように皆で手分けをしたら、きっと助けてあげることができる。」
具体的に支援することが、すぐには難しくても、「知る」ことは大きなことだと思います。
一人一人が力を合わせたら困っている人を助けられると、多くの人が実際に映画を見て知ったら、きっと目の前に困っている人がいたときに、行動できるはず。
今回のイベントで、私が直接の大きな支援ができたわけではなかったですが、難民について考える大きなきっかけになりましたし、
皆で手分けをしたら、困っている誰かを助けてあげられるかも知れない、という自信にもなりました。
この日の映画の上映は、計三回。
最後の上映のあとは、自然と会話が始まり、映画談義に花が咲いたそうですよ。
もちろん1人で映画を観に行って余韻に浸るのも好きだけど、県内外から人があつまって、上映後にざっくばらんに感想を言い合ったり、お話ができるのがすごくよかった!と仰る藤田さん。本や映画が大好きだから、これから食だけじゃなくそういった文化的なことも力をいれたいなー、なんて仰っていましたよ。これから「つがね食堂」の空間がどんなふうになって行くか、とっても楽しみです。
津金では今度の木曜日には古民家宿泊体験施設「なかや」さんでも、上映会が開催されるので、行ってきます!(またどこかでレポートしたいと思います。)
本屋さんや映画館などが近くにないのが、自然の中に身を置き地方で暮らすということの現実だったりします。
映画とか、本や漫画を読む、絵を見る・・・、「文化」は心を満たしてくれるものです。
身体を維持するために必要なものだけ、衣食住だけがあっても、どこか寂しいように思います。
文化的な面が盛り上がると、人と人とのつながりが生まれて、良いめぐりが始まるのだなーと感じた、“海を渡ったふるさとごはん”でした。
by チカ