中吉日記 #08「なんかいいこと」

季節の巡りに合わせて歩く、私サイズの小さな日常を綴った「中吉日記 」
久しぶりの日記になってしまいました。yosssy@八ヶ岳 中吉の家 です。

さて突然ですが、質問です。
今日、あなたには、「なんかいいこと」ありましたか?

思い返せば、私がまだ東京でオフィスに通い働いていた頃、同期や同僚とのお昼休み、話すネタが尽きると誰かが口にする言葉、「なんかいいことないかな〜。」
私もよく言ってた気がします(笑)

「なんかいいこと」

日々忙しくしていると、「なんかいいこと」は、珍しく稀なことが前提だったりして。
特に、ぼんやりと空を眺めたり、自然を観察することが少ない都会では、「なんかいいこと」と巡り会う頻度は、田舎に暮らす今より特別なことなのかもしれない。
逆に都会だと、「誰かが優しくしてくれた」「見たい映画を見る約束ができた」「仕事で褒められた」そんな、人と人との間のことが多いのかもしれませんね。

私も実際、そうでした。それが、八ヶ岳・原村に移住して少しずつ変わっていった気がします。

(晴れた早朝、車山高原ビーナスラインから。気持ちのよい秋晴れの下、道ばたで朝ごはんにホットサンドを焼きました)

今日わたしの元に訪れた、「なんかいいこと」その1。

散歩中、木に張り付くリスを見つけたこと。
遠くから見つけて一度は見失ったものの、もっと近くで見たくて「ここらへんかな」という所へ近づいたら、すぐ足元にリスさん発見。落ち葉が降り積もった地面を、慌てて飛び回ってくれたおかげで、「ガサガサガサ!」という音で見つけることができました。落ち葉がつもっててよかった〜。

今日わたしの元に訪れた、「なんかいいこと」その2。

庭で伸びすぎた枝を剪定してたら、すぐ近くにジョウビタキの雄が飛んできました。ずいぶん近くに来たな〜と思いつつ、気にせず剪定していたら、もっと近くに来て、最終的には私とジョウビタキの距離は3mもない。しばし見つめ合う時間。「ごめんね。大きな枝は残すから。もっと大きな木になると思うからさ。」先方が何か言いたげに見えて、思わず謝ってしまったりして。結局理解に及ばないことなのだけど、それでも野生と交流した時間は、何とも言えないわくわく、どきどきを残してくれました。

(朝の散歩。霜柱を見つけるとラッキー!と思う)

時間にしたらわずか数秒の出来事だとしても、自分のもとに授けられたワンダーは、十分に私をわくわくさせてくれるし、「今日もいいことあったな〜」と、ちいさな幸せを感じて暖かくなります。

人と人とのコミュニケーション。そこから生まれる喜びや楽しみは都会にいても、田舎にいてもあります。だけど、自然界から頻繁に授けられる喜びは、八ヶ岳に住む。その醍醐味だと思います。


お洒落して街に出掛けなくても、心の解像度を上げて一歩外に飛び出せば、その日の自分をわくわくさせてくれる「なんかいいこと」は、ここ八ヶ岳にはたくさんあるように感じています。

原村に移住してきて、そんなことを感じるようになりました。

原村は、既に季節は冬に向かっています。
日中は太陽が家の隅まで届き、ぽかぽかあったかい。しあわせな気持ちになります。

なんとなく肌寒い夕方は薪ストーブの出番です。
ストーブがパチパチゴウゴウ言いながら部屋を暖めてくれている間、私は晩ご飯の支度をします。天板にやかんや鍋を載せたりもします。ストーブさんと一緒に働いている気持ちがして、頼もしいです。


おしまい。

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